“BANT”は営業活動に役立つ!と聞いて、実際に使ってみました。
あくまで実例を書きます。BANTについてもっと詳しく体系的に知りたいかたは、検索するとたくさん出てくるので他のサイトをご参照ください 汗
BANTってなに?
そもそもBANTって何? 概要だけ簡単に書きます。
BANTとは、営業活動に使えるフレームワーク(枠組み・考え方)です。
以下の4語の頭文字を取ったものです。
Budget(予算)
Authority(権限)
Needs(必要性)
Time frame(時期)
Budget(バジェット)
お客様が、こちらの商品(モノやサービス)に使ってくださる予算。
Authority(オーソリティ)
この商品を買おう!と決めてくださる人。権限・決定権。
Needs(ニーズ)
お客様にとっての、その商品の必要性。
Time frame(タイムフレーム)
その商品の購買・導入時期。(私は”Timing”と習ったのでそのほうがしっくりきますが)
BANTを使ってみた
当社のようにお客様がさほど多くなくても、全てのお客様に対してこのBANTを当てはめるのはちょっと大変なので、まずは現在の見込みのある案件で実践してみました。
【例】 X社の社員さんは、「自社のロゴやホームページを見直したいなぁ」と思っておられました。この件で、BANTの視点でアプローチしてみました。
1 ヒヤリングさせていただいた
まずX社さんをBANTの視点から見てみます。とは言っても、普段からそうしているわけじゃないので、分からない部分はヒヤリングさせていただきました。
2 BANTをそれぞれ書き出してみた
B(予算)・・・ロゴやホームページ改訂の予算は、計画的に取っているわけではないが、捻出は可能。
A(権限)・・・ヒヤリングしたのは担当の社員さん。社長とも交流はあるが、この件をどう思っているかは不明。
N(必要性)・・・X社さんも、イメージ戦略のためにこの件は必要だと思っているし、当社もそう思う。
T(時期)・・・この件はできれば早いほうがいいよね、くらいの曖昧なお考えらしい。
以上、だいぶ簡単に書きましたが、それぞれこんな感じでした。
3 BANTを分析した
”分析”というほど大げさではなく・・・BANTを見回してみて、自分なりに5段階で分けてみました。
B(予算)・・・4 A(権限)・・・3 N(必要性)・・・5 T(時期)・・・2
1~5じゃなくて10段階とかでもいいでしょう。
4 BANTの分析をもとにアプローチした
分析を見ると、AとTをまずなんとかしたいですよね。
担当社員さんへ行ったアプローチの言葉
→ 「この件で社長を交えて改めてお話したいですね。○○さんばかりにご負担をかけても申し訳ないですし。社長にもご承認いただいて、早く決めませんか?そのほうが御社のためになると思います」
5 アプローチの結果
後日、無事社長さんと担当社員さんとで面談ができた。来年度の予算にこの案件を組み込むことを、前向きに検討してくださることになった。
BANTを使った感想
この例の他にももちろん何社にもBANTを使ってみました。例のように成功することもありますが、さほど多くはありません。
まあ「この考え方を使えば成功率が○○%上がる!」っていうほど怪しいですからね。
BANTを使ってみて思ったのは、
1 営業先へのアプローチを考える「ものさし」になってくれる
筆者も営業歴が長いほうなのですが、やはりアプローチ方法を見失うこともしばしばあります。そんなときにBANTがあれば、考えやすいと思いました。
2 具体的なアプローチ方法までは行きつかない
BANTは考え方、着眼点のものさしにはなりますが、具体的なアプローチ方法やセールストークまではカバーできません。営業マンの経験やスキル、何よりお客様それぞれの立場に立つことが重要だと思いました。
BANTの分析をもとにチームで戦術を考えるのもいいですね。
3 営業先の優先順位や営業進行度をつけるには最適
営業先の候補を挙げてその優先順位を決める要素は、「過去の実績」 「その会社の規模」 「営業マンの勘」 です!という方も少なくないのでは。
そして営業マンも「君、この企業からの受注見込みはいま何%くらいかね?」なんて上司に言われて「けっこういけそうな感じです!」などと答えてしまう人もいるのでは。
それらの大半は、BANTによって解決できるでしょう。
例えば「Y社はBANTのうちBは2段階だし、Aも3段階だ。しかしZ社はTだけなんとかすればいい」など、力を入れる優先順位を考えられます。1の段階があれば諦めてもいいかもです。
また仮に「BANT段階の合計が満点=受注見込み100%」と設定すると、営業進行度も計算できますね。例えば前述の”X社”の場合は以下になります。
B(予算)・・・4 A(権限)・・・3 N(必要性)・・・5 T(時期)・・・2
→ 4+3+5+2=14
満点の20を100%と設定すると、
→ 14/20=70%
上司にも「はい、X社の見込みは現在70%です!」とかっこよく言えます。(もっと早く知っておけばよかった)
10段階だともっと細かく数値が出せそうですね。
BANTは営業に役立つか?のまとめ
そもそもこのBANTは何十年も前に考え出されたものらしく、「古い」という意見もあるようです。
しかし、
「BANTは時代を超えて営業に役立つ」と思います。
前段のように進行度を数値化したり、それを根拠に優先順位を決めたり、お客様へのアプローチを考えるものさしになったり。ぜひ営業をする上で日々使いたいです(個人の感想ですが)。
また、SFMなどのシステムと使うことで最大に活用できるのである、という人もたくさんいるみたいです。それはそうなんでしょうが、小規模企業ならexcelなどで日報や顧客リストに組み込むなどのレベルでも良いのかなと思います。
まずは実践してみましょう!
