明日は、会津最大の初市である十日市が開催されます。
毎回10万人以上の人出があります。ピーク時には満足に前に進めないくらい。
会津若松市の神明通りや大町通りなど中心市街地で、何百という露店が出るこの市の歴史は、400年とも600年とも言われています。1月10日に、毎年毎年・・今の数年で終わる「よくあるイベント」と比べようもないですねー。「市」なのでイベントとは性質が違うでしょうが、それでもすごいことですよね。
十日市では、起き上がり小法師(こぼし)や風車(かざぐるま)などの縁起物が売られ、たくさんの人々が会津内外から買い求めに来ます。以下ちょっとそれらの由来。
起き上がり小法師は、七転び八起きの精神で震災後に特に有名になりました。
家族の人数より一つ多く買うのが習わしです。
その一個が家族の災厄を負ってくれることになっているとか、家族が増えますようにという願いが込められているとか、諸説ありますがいずれにしてもみんな、起き上がるかどうか確かめてから、一つ多く買っていきます。
風車は、赤や青、緑といった色鮮やかな紙に金で「寿 福の神」(福の神 寿?)と書かれた縁起物。「くるくる働けるように」「お金がよく回るように」との願いが込められているそうです。だから回るかどうか確かめて買ったほうがいいですね。確かめてばっかりですが。また、「まめに過ごせるように」と羽は黒豆で止められています。
その他にも、食べものだとかおもちゃだとか、とにかくたくさんの露店が並び、夜まで賑わいます。当社も露店を出したことがありました。小さな赤べこのキャラを作っておみくじをつけて売りましたが、けっこう売れました。やっぱり人が多いと「すごくいいもの」でなくても売れますね。
しかし多くの催しが集客に苦心しているなかで、なぜ十日市にはこんなに人が集まるのでしょう。
十日市に多くの人が行く理由を、私が行く理由から考えてみます。全て個人的感想です。
1、知名度が高い。
何百年も続いているため、会津じゅうの人が知っている。生まれた時から「行くのが当たり前」の習慣になっている。
2、行く目的がある。
縁起物を買わなければ一年が下手すると不幸になってしまうという強迫観念すらある。
3、期待感がある。
ごった返す人のなかで何百もの露店を見てまわるだけで楽しいので、また今年も楽しいべなーと足を運ぶ。
4、共感、一体感を得られる。
とりあえずみんな行くから俺も、というのは人間の本能だと思う。
5、地域、社会との関連性が強い。
とにかく地元の多くの人が関わっているので、行くと知人友人取引先に会える。というか行かないと薄情ものだ。
他の方々にもいろいろな十日市に行く理由があるでしょうが、だいたい私の「個人的感想」と同じ理由が多いのではないでしょうか。そしてこれらは、イベントに人が集まる理由と同じだと言えると思います。
つまり、知名度・目的・期待感・共感・地域性があれば、集めようとしなくても自然と人が集まると言えるでしょう。当社もイベント集客をすることが多いので、これらがきちんとあるかどうかに気を配っています。でもこれらを生み出し、高めることはなかなか最初から簡単にできることではありません。まずうまくいかなくてもチェックして改善しながら何度もトライする気持ちが必要だと思います。
まあ難しいことはさておき、私は明日も十日市に行きます。会津の人なら行かなきゃダメです!(個人的感想)